日本に必要な決断


HITOTSU学を提唱するNor Jesuさんのコラムより。
長いので、お時間のある時にでも。

昨年11月30日付の英フィナンシャルタイムズ紙は
「決断まであと10日、ユーロは救済できるのか」という記事を掲載し、
12月9日にブリュッセルで開かれる首脳会議がユーロの命運を左右する
最後のチャンスだとして、ユーロ圏崩壊の警鐘を鳴らしています。
国際企業はユーロ圏の崩壊を見据えた危機管理計画に着手し、
銀行間取引金利は急上昇、世界各国が想定外とは言えなくなった
事態に対処し始めています。

この危機の時代、日本に必要な決断とは何でしょうか?

文明の崩壊パターンは次の8段階を経ると言われますが、
現代文明は今どこの段階に達していると観ることができるでしょうか。

①文明の発展

②複雑性の増大

③問題の発生

④問題解決へ努力

⑤Grid Lock(渋滞・固着状態)

⑥知識(Science)→事実(Fact)→信じる(Believe)世界への移行

⑦問題持続(状況悪化)

⑧文明崩壊

現代文明は今、⑥知識(Science)→事実(Fact)→信じる(Believe)
世界へと移行しています。

例えば、「鳥が飛んでいる」「花が咲いている」は事実(Fact)ですが、
「鳥が飛べば、花が咲く」といったように一見関係なく見える世界を
”説明可能なかたちでつなぐ”ことができれば、それは知識(Science)
として認められます。しかし、なぜ鳥が飛べば花が咲くと断言できるのか?
を説明できずただ信じる(Believe)世界では問題は解決せず、
文明は崩壊への道をまた一歩進むこととなるのです。

現代は、多様な事実を認識することは出来ても、無関係に見える事象を
繋げて理解する知識(Science)に昇華することが益々難しくなっている時代です。
問題の複雑性も増大し、解決するより早く次の問題が発生し、
全体を統観して整理する視座を持たぬまま、事実(点)を星座のように
繋げて各々が自分勝手な論理・信仰(線)を築き上げ、事態は悪化の一途を辿っています。

人間が思考論理を展開する際には、その設計図となる「思考論理展開のDNA」が必要です。
DNAがなければ人間は内臓や血液をつくれないように、「思考論理展開のDNA」がなければ、
多様な事実を繋げて新しい知識を生産することはできず、本質を理解することもできません。

科学者や専門家は自分が知っている世界には詳しくても
専門分野が異なる世界とは疎通・交流することができず、
政治家やリーダー達は思想哲学を持たない為に
条件・状況・環境が変われば言動が変わり
強固な信頼を得ることが難しくなってきています。

今の文明に必要なのは、多様な学問(学術)を統合する「メタ科学」であり、
言葉を替えれば「科学の悟り」、「悟りの科学化」、「悟りの産業化」が
必要な時代なのです。

これまで人類が解決しようとした問題意識には大別すると次の6つがあります。

①生老病死

②宇宙の生滅

③言語の限界

④判断基準の問題

⑤脳の認識のクセ

⑥現実をどう解決するか

古代より人類は、人間がどこから来て、どこへ行くのか?に関心がありました。
人類は何の為に存在しているのか、人間とは何なのか、
なぜ人は生きていかなければならないのか。
こういった本質的な問いが宇宙論へと繋がり、世界を理解する為に
多様な学問・知識と現代文明を造り上げてきましたが、
世界を表記する言語(単語)の限界を超えることはできていません。

しかも、生まれてから覚えた言語の殆どは意味の繋がりを暗記しただけの
「暗記言語」で、単語ひとつの定義もバラバラなら、その単語から
イメージする世界は人によって全く異なってきます。
その「暗記言語」を使って行うコミュニケーションでは、
1)判断基準を皆が持っている、
2)バラバラ、
3)ひとつにしても問題、
4)不完全、
5)無意識に自分の判断基準は絶対・完全だと思い込んでいる
という問題があり、部分しか取れない・違いしか取れない・過去のイメージと
オーバーラップして認識してしまう脳の癖を考慮に入れると、
現実を認識している脳と五感覚の観点が固定されたまま
変化・運動・移動できず、観点固定で現実をどう解決すればよいのか?
といった問題が残ります。

これらの問題を解決する為に、人は①本を読んだり、②講師の話を聞いたり、
③学術を学んだりしてきました。しかし、他を理解していると思っていたのは
事実ではなく、実際には1)自分自身の論理展開水準を理解し、
2)自分の理解水準を理解しているのです。
※例えば、同じ講座を小学生と大学教授が聴いたら、
ふたりとも同じ理解水準に達するでしょうか?

情報を認識する自分自身の脳内に「思考論理展開のDNA」、
「知識(科学)を生みだす子宮」を持っていないと、
現代文明の内臓・血液・肉体にあたる生存に必要な知識(Science)を創ることができません。

その思考論理展開のDNAこそが「イメージ言語」であり、
人類は「イメージ言語」を道具に疎通・交流することを通して
上記①~⑥の問題識も解決することができるようになります。

暗記言語ではなく「イメージ言語」を通して人類は考えから卒業することができます。
顔は笑顔でも考えぐるぐる・頭の中はパンパンな状態から、
無知の完全性により知の統合が可能になり、スッキリした大自由の心の状態で、
愛に溢れた人生を過ごすことが、実際に、可能なのです。

人間の意識の進化を果たす「イメージ言語」はデザインされた
イメージ(図象)なので、そのイメージをまだ見たことのない方
(観術を学ばれたことのない方)は、文章だけ読んで
「難しそう」と判断しないでください。
百聞は一見に如かず、イメージの道具を実際に使ってみて、
苦しみの原因を突破して頂きたいのです。

人間完成、人間卒業のパラダイムシフトが起きる「観術」を使えば、
人類の6大問題が解決し、文明の崩壊を止めることができます。

今の日本に必要なのは、この「観術」を使い、新しい産業を興す決断です。

国がODAで後進国に食糧を提供するより、「魚の獲り方」を教えた人の方が
尊敬を集めるように、人間が考えから卒業できるイメージの道具を提供できる人は、
これからの時代で大きな価値を生みだし、多くの人からの尊敬と愛情を受け取るでしょう。

地球全体をひとつにまとめ、OneWorldを実現する21世紀の
坂本竜馬のような人物に出会えることを心から願っております。


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