今朝、小学校のグラウンドにかぶせていた覆いから
放射性物質が検出されたというニュースが流れていた。
実際どれほどの影響があるのかは定かではないが、
きっとニュースになっていないだけで日本のあちこちに
こうした滞留放射性物質があることだろう。
ところで放射線といえばニュースで必ず出てくるのが
ベクレルという単位とシーベルトという単位。
何回聞いてもよくわからないのだが、実際どういう違いが
あるのだろうか?
「ベクレル」とは、放射性物質は原子が崩壊して放射線を出す
現象の放射線を出す能力、いわゆる放射能の強さや量を表す
単位のこと。
1秒間に原子一つが崩壊すると、1ベクレルという。
ちなみに、ラジウム温泉1リットルでおよそ10万ベクレル、
人の体内に含まれている放射性物質が全体で約6千~7千ベクレル、
たばこの灰1グラムで約5・9ベクレルといった水準だ。
一方で、「シーベルト」は人間が放射線を浴びたときの
影響を表すのに使う単位だ。放射性物質が出す放射線には
アルファ線やガンマ線などいろいろな種類があり、
その種類や物質からの距離によって人体への影響が異なる。
日本人は自然状態で年間約2・4ミリシーベルト浴びている。
人工的には年間1ミリシーベルト(千マイクロシーベルト)が
一般人の許容限度とされている。(自然状態に加えての数値)
ちなみに腹部CTを撮影するとおよそ20mSv。(胸部は7mSv)
そして1年に1回20mSv浴びて、50年間毎年浴びると
1000mSv。これで癌になる発生率が0.01%増える。
(広島、長崎からの原爆の追跡データーから。
ちなみに放射線を携わる人の被曝線量は100mSv/5年は
ここから決められているらしい。)
注意していただきたいのは、1回で1000mSvではなく、
慢性的にあびて合計で1000mSvという点だ。
ちなみに僕は6月に入院したときに全部で6回CTを撮影した。
単純計算で100mSv以上の被爆をしている。
話を戻そう。「ベクレル」と「シーベルト」の違いは、
端的に言えば、電球に例えると、光の強さそのものに
相当するのがベクレル、距離によって異なる明るさに
相当するのがシーベルトだと説明することができる。
単純に放射線が強い弱いということが問題なのではなく、
それがどのような形で当てられ、またその種類は何で
あったのかが問われる。
ちょっと放射能があったからと大騒ぎするのではなく、
それが具体的に人体にどのような影響を及ぼすのかまで
きちんと報道していただきたい。