すべては20代の過ごし方次第


ビジネス選書のメルマガから抜粋

世の中で光っている人は、35歳までに何かしらの「手かがり」を得
ているものだ。そのためには、20代のうちに「仕込み」を終えてお
くべきだ。

就職してから30歳までは、所属する会社を使って、自分のやりたい
ことと、自分に合ったワークスタイルを見極め、自分を磨きぬく期
間だ。いわばビジネスパーソンとしての「仕込みの8年間」だ。

ここをきちんと押さえておけば、生涯にわたって運用できる「自分
というビジネス資本」ができる。もちろん、あくまで仕込みだから、
まだまだ選択の余地もある。

つまり、30歳までに自分を「組織でも、経営者でも、フリーでもO
K」という状態に磨きあげ、35歳までに「手がかり」を得ることが
できれば、その後「どう働くか」は、自分の意志で選べるのだ。

30歳までの自分づくりの8年間は地味だ。成果よりも努力の割合が
圧倒的に多い。それでも人生は長い。8年耐えただけで、その先の
30年が満たされるなら、大いに耐える価値があるはずだ。

とはいえ、これから仕込む人にとっては、あまりに長い、膨大な時
間のはずだ。だから、年齢ごとのルートマップを知っておく。そう
すれば、先行きが見えない不安やイライラは取り払うことができる。

まず、入社した23歳から25歳までの3年間は、体を張って職場に
尽くすべきだ。次の、26歳から28歳までの3年間は、自分のナン
バーワンをつくる時期だ。

そして、29歳から30歳までの2年間は、外の世界を見る。組織人
でも、フリーでも、経営者でも、会社だけを見ていたら、成果は出
ないものだ。

30歳までに「自分の仕込み」は終わるが、追加で1年、大切なこと
を学ぶプラスαの時期が31歳だ。ここでは、何はなくてもマネジメ
ントを学ぶのだ。

業種を問わず、中小企業では自主性を求められる。自発的・能動的
に働くのが苦手な人は、大企業にしがみついて生きるのも一つのや
り方だ。

一方、大企業の歯車にならず、自分を活かしたい人もいる。そんな
人に不可欠な素質は5つある。

一つ目は、マネジメントができること、二つ目は我慢強いこと、三
つ目は、責任感が強い長男・長女タイプであること、4つ目は清濁
併せ呑めること、5つ目は数字に強いことだ。

才能があり、経営幹部になりたい、あるいは起業したい女性は、大
企業に入るべきではない。女性は、いくら成果をあげても、年収は
変わらないからだ。才能がある女性ほど不満を抱えるはずだ。

才能がある女性なら、中小企業で上を目指すべきだ。男女を問わず、
幹部の道への道が拓けている。将来、独立して起業するための勉強
も、存分にできる。

能力以上に高収入が見込めるのが最先端の業界だ。今ならITや金
融、コンサルティング業界だ。しかし、20代で就職すべきではない。
創成期の人気産業は、蓄積された知恵も教育ノウハウもないからだ。

もし、どうしても最先端の企業に入りたいなら「まだ成長しはじめ
たばかりで、人数が少ないタイミング」を選ぶべきだ。それなら、
第一線で活躍するチャンスに恵まれるからだ。

お勧めは斜陽産業だ。潰れそうな会社にこそ、知恵が詰まっている。
どんなにニッチでも、一つは「業界ナンバーワン」を持つ会社が理
想だ。

一度は日が射したから、斜陽なのだ。絶頂期まで上り詰めるとき、
成功パターンを経験したとき、うまくいかなくなって挽回するとき、
斜陽産業は、場面場面で知恵を蓄えている。教育ノウハウもある。

また、倒産は、会社のしくみを経営感覚で学べる貴重なチャンスだ。
会社が派手に潰れたらラッキーだ。本気で仕込みがしたければ、こ
れくらい腹を括って、斜陽産業に就職することをおすすめする。

・・・

学生と話をすると、表面的な条件や見栄で会社選びをしている人が
多いことに驚かされる。就職で大切なことはどこに就職するかでは
無く、就職して何が経験できるかだ。給料は安くても、労働条件は
過酷であっても、そこで一生身になる仕事力を身につければ、いずれ
求めているものはついてくる。

逆に20代のうちに楽をしていると、それが当たり前となり、与えられた
環境に依存する人生になってしまう。環境が良いうちはハッピーだが
それが崩れればおしまいだ。

変化の激しい現代において、安住できる場所は無い。常に変化する
ことを念頭に置き、その変化に耐えられるだけの能力を身につける
ことこそ、仕事を選ぶ上でこだわらなければならないポイントだと
思う。


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